集団交換日記

交換日記が大好きだった。
中学生の頃は、班ごとに「班日記」という名の集団交換日記が義務付けられていたのが嬉しかった。
当時、1クラス30名強の生徒がいて、6つの班があった覚えがあるので、5名か6名で日記を付けていたことになる。

好きな子や気になる子は、班に1人はいるもので、その子が書いてくる文とイラストを見るのが毎週の楽しみだった。
何を書いてもよくて、自分でテーマを決めて書くようにしていたと思う。
絵の得意な生徒は絵を大きく1つ描いて回すということもあった。
何を書いたかはもうほとんど覚えていないが、例えば今までに観た映画のタイトルとちょっとした内容を1ページ書き連ねたことがあった。
1行に1タイトル書いたので、大体30本くらいの紹介だったのだが、中学生でそれだけ観ているのは珍しいみたいで、オススメの映画を聞かれたりした。
今でも女の子の文章やイラスト、文字を見るのが好きで、可愛い字を描く子は少し気になってしまう。
昔は丸字と言われる全体的に丸みを帯びさせたスタイルが女子の間で流行っていたが、だんだんと丸みはなくなり、今ではこどもが書くような文字をバランスよくしたものが人気のようだ。
文章で書いてもなかなか伝わりづらいだろうが、街で女子高生あたりに「こんにちは」と書いてもらうと言っている意味がわかると思う。
字の形にも流行があるというのは非常に面白いもので、男子高校生のファッションの移り変わりがそこまで大きくないのと同様に文字の形も特筆するほどの変化はない。
一方、女子高生は、ファッションや彼女らが持つ文化の変化と同様に文字の形状も大きく変わった。
そして皆が周りと同じものを好きになるというところもファッションと同じだ。

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